
ひびきこころのクリニックは、JR芦屋駅から徒歩1分の児童精神科・心療内科・精神科です。精神科専門医・子どものこころ専門医が、芦屋市・西宮市・神戸市東灘区を中心に、お子さんの発達障害(ADHD・自閉スペクトラム症・限局性学習症など)の診断と治療を行っています。
「授業中に落ち着いて座っていられない」「忘れ物が極端に多い」「友だちとのトラブルが続く」「読み書きだけが極端に苦手」。こうしたお困りごとについて、発達検査・心理検査を含めた評価を行い、ご家庭と学校の両方で実行できる具体的な対応方法をご提案します。
発達障害とは、生まれ持った脳の機能の特性により、行動や思考の偏りが低年齢のうちから現れる状態の総称です。主に、自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠如・多動症(ADHD)、限局性学習症(LD)、知的発達症(知的障害)が含まれます。
これらは1つだけ現れるとは限りません。臨床的には複数が併存することがしばしばあります。ADHDと限局性学習症が重なる、ASDとADHDが重なるといったケースは珍しくありません。診断名を1つに絞ることよりも、そのお子さんにどの特性がどの程度あるかを丁寧に見ていくことが大切です。
かつて用いられていた「広汎性発達障害(PDD)」「アスペルガー症候群」という診断名は、2013年に改訂されたDSM-5(米国精神医学会の診断基準)以降、自閉スペクトラム症(ASD)という一つの連続体(スペクトラム)として整理されました。当院では現在の診断基準に基づいて評価を行っています。
以前に別の医療機関で「広汎性発達障害」「アスペルガー症候群」と診断を受けている場合も、現在の基準では自閉スペクトラム症に含まれます。診断名が変わったことで支援の内容が変わるわけではありません。
文部科学省が令和4年(2022年)に実施した調査では、通常の学級に在籍する児童生徒のうち、学習面または行動面で著しい困難を示す子どもは小・中学校で8.8%(小学校10.4%、中学校5.6%)、高等学校では2.2%です。
35人学級であれば、小学校で3~4人程度という割合になります。
ただしこの調査は担任の先生による回答をもとにした推計であり、医師の診断に基づく有病率ではありません。「学級のなかに困っているお子さんが一定数いる」ことを示す数字として捉えてください。
(出典:文部科学省「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果(令和4年)」)
発達障害は脳の機能の特性によるもので、その原因はまだはっきりとは分かっていません。
はっきりしているのは、本人のわがままでも、保護者の育て方やしつけの問題でもないということです。
発達障害は外見からは見えにくいため、「努力が足りない」「親のしつけがなっていない」と誤解されやすく、そのことがお子さんとご家族を長く苦しめます。当院の診察では、まずこの誤解を解くところから始めます。
不注意・多動性・衝動性を主な特徴とします。
学校生活や家庭生活での困りごとは、年齢や発達段階によって異なります。幼児期には多動や衝動性が目立ちやすく、学齢期になると「勉強はできるのに提出物が出せない」「宿題に取りかかれない」といった形で表れることが多くなります。思春期以降は多動が落ち着く一方で、不注意による困りごとが残りやすくなります。そのため、同じお子さんであっても、成長に合わせて支援の内容を見直していく必要があります。
対人関係・コミュニケーションの特性と、こだわりの強さを主な特徴とします。
症状の現れ方には個人差が大きいことが、ASDの特徴です。幼少期から特徴が顕著で早い時期に気づかれる場合もあれば、家庭では大きな問題がなく、集団生活が始まってから困りごととして表面化する場合もあります。入園・入学・進級といった環境の変化をきっかけに相談に来られるお子さんは少なくありません。「これまで問題がなかったから違うだろう」と考える必要はありません。
全体的な知的発達に遅れがないのに、「読む」「書く」「計算する」のうち特定の領域だけが著しく苦手な状態です。
努力不足と誤解されやすく、二次的な自信の低下につながりやすい特性です。苦手な領域を繰り返し練習させるだけでは改善しにくいため、その子に合った学習方法とサポートを見つけることが重要になります。どの領域につまずきがあるのかを検査で明らかにしたうえで、板書の代わりに写真を使う、音声で読み上げる、計算はツールを使うといった具体的な工夫を、学校と共有しながら組み立てていきます。
全般的な知的機能と、日常生活への適応能力の双方に困難がある状態です。知能検査・発達検査の結果と、生活場面での様子を合わせて評価します。
発達障害の治療は、①環境調整 ②心理社会的教育 ③薬物療法という3つの柱で組み立てます。
この順番には意味があります。まず環境を整え、次にお子さん自身が使える力を育て、それでも困りごとが残る場合に薬物療法を検討します。原則として薬から始めることはありません。
発達障害は生まれ持った脳の機能の特性であるため、特性そのものがなくなるわけではありません。しかし3つの柱を組み合わせることで、その特性から生じる困りごとの軽減が期待できます。
ここで大切なのは、治療の目標が、発達障害の中核症状を軽くすることだけではないということです。
むしろ重要なのは、そこから生み出される二次的な影響を最小限に抑えることです。度重なる叱責、いじめられ体験、自己評価や自尊感情の低下。これらを防ぎ、お子さんが本来持っている能力を発揮し、可能性を開花させ、自尊感情を高めていくこと。当院はそこを治療の中心に置いています。
だからこそ、早い時期に特性を知り、その子に合った関わり方に切り替えることに意味があります。この点については院長ブログでも詳しくまとめていますので、あわせてご覧ください。
治療の出発点は、お子さんを変えることではなく、お子さんを取り巻く環境を変えることです。
同じ特性を持つお子さんでも、環境が合っていれば困りごとはほとんど表面化しません。逆に環境が合っていなければ、本人がどれだけ努力しても状況は改善しません。当院ではまず、ご家庭と学校それぞれの場面で何が起きているかを具体的に伺い、変えられるところを一緒に探します。
具体的には次のような調整を行います。
学校で行う調整については、必要に応じて診断書を作成し、学校の先生と情報を共有しながら進めます。
環境を整えたうえで、お子さん自身が使える力を育てていきます。当院では次のような支援を行っています。
SST(ソーシャルスキルトレーニング)
対人関係で使える具体的な技術を、場面ごとに練習していきます。「仲間に入れてほしいときにどう声をかけるか」「断りたいときにどう伝えるか」「困ったときにどう助けを求めるか」といったことを、言葉で説明するだけでなく、実際にやってみる形で身につけていきます。暗黙のルールを自然に読み取ることが苦手なお子さんにとって、明示的に学べる場が支えになります。
ペアレントトレーニング
お子さんへの関わり方を、親御さんが具体的に学んでいくプログラムです。当院では発達検査の結果をもとに、そのお子さんに合った関わり方を個別にご指導しています。
行動療法・個別療育の指導
どのような場面で、どのような行動が起きやすいのかを整理し、望ましい行動が増えるような関わり方を組み立てていきます。
カウンセリング
ご希望があれば、別途可能です。公認心理師・臨床心理士が担当します。
環境調整と心理社会的教育を行ってもなお困りごとが残る場合に、医師が必要と判断したうえでご提案します。
薬物療法は特性そのものを変えるものではありません。お子さんが学校生活や家庭生活で本来の力を発揮しやすくするための、補助手段と位置づけています。集中しやすくなることで、これまで届かなかった学習の内容に手が届く。衝動性が和らぐことで、叱られる回数が減り、自信を失わずにすむ。薬の役割はそこにあります。
開始する際には、目的・期待される効果・起こりうる副作用をご家族とお子さんにご説明したうえで判断します。開始後も効果と副作用を確認しながら、量や継続の必要性を定期的に見直していきます。
完全予約制です。お電話(0797-35-8556)またはWEB予約からお申し込みください。
お子さんとご家族から、困っている場面を具体的にお伺いします。今までの経過をまとめたもの、母子手帳、通知表、学校からの連絡帳など、これまでの様子が分かるものをお持ちいただくと診療がスムーズです。
医師が必要と判断した場合に実施します。多くの場合、検査は初診日と同日ではありません。
検査結果をもとに、お子さんの得意・不得意を整理してお伝えします。数値だけでなく、家庭と学校で明日から何をすればよいかをご説明します。
定期的な通院のなかで、学校生活の変化に合わせて支援内容を調整していきます。
WISC-Ⅴ知能検査、WAIS-Ⅳ知能検査などのウェクスラー式知能検査、新版K式発達検査2020、ADOS-2、Vineland-II、CAARS、PARS-TRなど
検査は医師が必要と判断した場合に公認心理師・臨床心理士が担当します。
発達障害の支援は、医療機関だけで完結するものではありません。家庭・学校・医療・行政が連携してはじめて、お子さんの生活の場そのものが変わります。
当院では、生活指導や薬物療法に加えて、教育機関や行政機関と連携をとりながら、その子に合った支援を行っています。学校精神保健コンサルタントの経験のある医師が、学校・園への診断書の作成や特別支援教育、通級指導、就学相談に関する助言をします。

A. 年齢の下限は設けていません。何歳からでもご相談いただけますが、実際に初めて受診されるお子さんは3歳前後からが多いです。
言葉の出方がゆっくり、視線が合いにくい、こだわりが強い、といったことは乳幼児健診で指摘されることがあり、そこから受診につながるケースがあります。一方で、集団生活が始まってから困りごとが表面化し、幼稚園・保育園や小学校で指摘を受けて来られるお子さんも多くいらっしゃいます。
「まだ小さいから様子を見た方がよいのでは」と迷われる方もいますが、早い時期にお子さんの特性を知っておくことで、関わり方を早く切り替えることができます。年齢を理由に受診をためらう必要はありません。
A. 「病院に行く」「診てもらう」という言い方に抵抗があるお子さんは少なくありません。当院がよくお勧めしているのは、「困っていることを相談しに行こう」「話を聞いてもらおう」という伝え方です。
お子さん自身も、うまくいかない場面があることには気づいています。「あなたが悪いから連れて行かれる」ではなく、「一緒に困りごとを減らす方法を探しに行く」という位置づけで伝えていただくと、お子さんも受け入れやすくなります。
「検査を受けさせられる」「叱られに行く」という受け取り方にならないよう、前向きな言葉でお伝えいただくのが大切です。
A. 検査の種類によって異なりますが、短いもので1時間程度、長いものでは半日程度とお考えください。
お子さんの集中力には限りがありますので、途中で休憩をはさみながら進めます。
当日は時間に余裕を持ってお越しください。検査後は疲れることが多いため、そのあとに予定を詰めないでいただくと安心です。
A. できます。芦屋市外からの受診が多く、兵庫県外からお越しになる方も多数いらっしゃいます。
JR芦屋駅から徒歩1分、阪急芦屋川駅から徒歩8分、阪神芦屋駅から徒歩10分と、3路線からアクセスできる立地です。西宮市・神戸市東灘区・灘区・三宮方面はもちろん、大阪方面からもJR新快速で通院されている方がいらっしゃいます。
A. 構いません。診断名をつけることが目的ではなく、お子さんが困っている場面を減らすことが目的です。診断基準を満たさない場合でも、特性に応じた対応方法をご提案します。
A. ご本人・ご家族の同意なく、当院から学校へ情報を提供することはありません。
A. いいえ。治療は環境調整と教育が基本であり、薬物療法はそれでも困りごとが残る場合に、医師が必要と判断したうえでご提案するものです。ご家族とご本人に十分ご説明したうえで判断します。
A. 可能です。主治医から情報提供書が必要となります。詳しくはお電話で受付までお問い合わせください。
監修:ひびきこころのクリニック 院長 安藤 悦子
精神科専門医・子どものこころ専門医
最終更新日:2026年10月06日